4.終始と三項

サタンのわけ。(参考→Iテモ4:1)

α:「キリスト教徒は都合が悪いと悪魔を持ち出す」という無知。ただ、私はこの論者を衝動的に“獣”と断定するのは違うと思います。“キリスト教”の歴史は、私が知る限りでも「悪魔」を持ち出して“主ならざる戦い”をしてきたからです。名ばかりの信徒が聖書に逆行したことを為してきた歴史には目も当てられません。私には“歴史書”におけるイスラエルの背信だけで心が精一杯です。ただ、かといって未信徒の人々が「都合の悪い時だけ神を思い出す」ことを黙認するわけにはいきません。なぜなら、それこそが悪魔の策略だからです。冒頭の文言について、ときに信徒が悪魔を持ち出すのは事実です。しかしそれは「都合が悪いから」ではありません。

§:私は“クリスチャン”にあまりいい印象がありません。少しだけ通った一つの地域教会のみで判断してはいけないのですが、“雰囲気”が「嫌」でした。それは、彼らが「イエス様~!イエス様~!」とやたら口にすることです。私は言いたいです。「主イエスは“父なる神に感謝しなさい”と仰っていませんでしたか?」と。このことは一ヶ所だけでなく、あらゆる教会に刺さることでしょう。教会は“キリスト教”として十字架をあまりに強調しすぎている。「十字架にかけられたキリスト」の一点だけみているから(もちろん強調しきれないほど大切ですが)、「贖い主への感謝」しかない。独り子を“捧げたお方”の悲痛を忘れていませんか。“御霊”は何も語っていませんか。そう、多くの信徒は「説明ができないから」“悪魔”を引き合いに出すのです。聖書を語るとき「書かれていることを越えてはいけません」しかし「書かれていることは言明せねばなりません」。多くの信徒がそのことを怠ってきたのです(ただ、私は“地域教会に集う人々こそ地上の守護者である”と考えていることを忘れないでください)。

§:さて「神が全知全能なら悪魔がいるのはおかしいじゃないか」という主張。これは初歩的かつ重要な問いかけです。この問いが難しいのは「聖書には悪魔が生じた“理由そのもの”は書かれていない」からです。つまり「聖書によるとサタンは天使長から堕落した」という以上のことを語ったら、教理原則を越えてしまうのです。しかし、実は“無記述”こそが答えです。聖書は「悪霊が信仰から人々を離れさせる」と教えています。つまり「悪霊の原因を神に求めさせることが、その実証である」ということです。もし「悪魔がこれこれの理由で生じた」と聖書に明言されていたら“全能神を疑う論者”は納得するでしょうか。するわけがない。なぜなら、その論者が既に悪魔の影響を受けているからです(なぜって、本心から神の全能性を疑っているのであれば聖書を読むはずではありませんか)。「悪魔がどうして生じたか」が無記述であることの解答は「聖書を読ませるため」です。[聖書の神]を知らずに無関心なのは罪ゆえです。しかし“知らずして”神の全能性を否定するのは「聖書を読ませないため」の悪意に他なりません。

§:聖書を受け入れた信徒にとって“悪魔”など取るに足らぬものです。悪魔が脅威になるのは基本的に「未信徒に対して」です。当該聖句にも書かれているのは“悪霊”が聖書から人々を離れさせる事実です。「聖書を読めば、その悟りゆえに悪霊が神の前では語るにも及ばない存在だと解る」から「聖書を読んでいない者には、その無知ゆえに神を知らずに悪霊が強き存在だと勘違いする」のです。これは論理的にも“真”です。つまり「神が全知全能なら悪魔がいるのはおかしい」という主張は、1)論者自身が獣である,2)「“悪魔”が神の前に力あるもの」と僅かでも思っている時点で既に獣にあてられている,かのいずれかです。“どこぞの国の教会”をみてください。“それっぽく見える”者さえも獣です。聖書を切り取ってこじつけまで始めたら、いよいよ滅びは近いです。聖句は聖書の器官です。全体との調和があって美しく機能するのです。

Ω:悪の理由は“それ”です。すなわち「悪はどこから来たのだろう」という“罪”です。神の側に立つ者は“悪”でなく“罪”のみがあることに気づくからです。つまり「悪とは“罪”を知らぬこと」だと。もし、罪(神からの離反)がなければ、悪の所在を問う必要がありません。福音を受け入れた者は(厳密には)「聖書全巻を受け入れる」からこそ“罪の贖い”が成されていて「神の不完全性」を問うような虚しき愚かしさは消えているはずだからです。しかし、信徒になったことは喜ぶことであっても怠けることではないはずです。「頑張る」のは聖書的ではありません。しかし、“恵みの賜物”を受けたうえで「説明すること」を疎かにしたら、サタンが悦に浸ってしまいます。獣を調子に乗らせてはいけません。神の足元には奴らなど無力だということを、弱いながらも悪魔より強い信徒が示していくべきでしょう。

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