A:「人間は、機械ではない」
同様に、
A2:「人間は、動物ではない」
これら二つの命題が真であるわけは、
A3:「人間のみが、“言語的な思考”ができる」
からである。
ここで、
B:「“言語的な思考”とは、言葉をもとに考えることである」
よって、
A3*:「人間とは、言葉をもとに考える存在である」
このことが明らかである以上、
次のことが言えるであろう。
すなわち、
C:「“人間”にとっての真理とは言語のうちにある」
このことは、
命題AおよびA2を保証している。
それだけでなく、
人間の真理がこのように表されることは、
A*:「機械的な活動(単純な演算)に、人間にとっての真理は存在し得ない」
かつ、
A2*:「動物的な活動(本能に基づく行動)に、人間にとっての真理は存在し得ない」
ことである。
では、ここで、
D:「感情的な言葉に人間の真理は含まれる」
のかどうか
という命題が定立される。
なぜなら、
命題Dから
D*:「感情的であることは非機械性を表し、言葉の使用は人間的行動である」
ことが言えるからだ。
ここで、命題A2*を用いれば、
D**:「感情的な発話は、本能に基づく行動である」
と言うことができる。
以上のことは、
C*:「言語は、その理性的使用によって、正確に成立する」
ことからも正しい。
よって、
∴「“人間”にとっての真理は、理性的な言葉の内にある」
と言える。