1.命題証明集

人間と言語。

A:「人間は、機械ではない」

同様に、

A2:「人間は、動物ではない」

これら二つの命題が真であるわけは、

A3:「人間のみが、“言語的な思考”ができる」

からである。

ここで、

B:「“言語的な思考”とは、言葉をもとに考えることである」

よって、

A3*:「人間とは、言葉をもとに考える存在である」

このことが明らかである以上、

次のことが言えるであろう。

すなわち、

C:「“人間”にとっての真理とは言語のうちにある」

このことは、

命題AおよびA2を保証している。

それだけでなく、

人間の真理がこのように表されることは、

A*:「機械的な活動(単純な演算)に、人間にとっての真理は存在し得ない」

かつ、

A2*:「動物的な活動(本能に基づく行動)に、人間にとっての真理は存在し得ない」

ことである。

では、ここで、

D:「感情的な言葉に人間の真理は含まれる」

のかどうか

という命題が定立される。

なぜなら、

命題Dから

D*:「感情的であることは非機械性を表し、言葉の使用は人間的行動である」

ことが言えるからだ。

ここで、命題A2*を用いれば、

D**:「感情的な発話は、本能に基づく行動である」

と言うことができる。

以上のことは、

C*:「言語は、その理性的使用によって、正確に成立する」

ことからも正しい。

よって、

∴「“人間”にとっての真理は、理性的な言葉の内にある」

と言える。

-1.命題証明集
-