1.命題証明集

概念と名前。

A:「人間は、“言語的な思考”をする存在である」

ここで、

B:「言語的な思考(活動)は、“名付け”によって始まる」

と言うことができよう。

よって、

A*:「人間を人間たらしめるのは、名付けである」

という命題が導かれる。

ここで、

B2:「名付けとは、概念を区別することである」

このことが意味するのは、

B2*:「名付けをしなければ、概念は区別されない」

ことであり、

それはつまり、

B2**:「名前がなければ、概念が“定められない”」

ことである。

これは、

命題Aが真であることから、

次のことを導出する。

すなわち、

A**:「概念に名前があることが、人間を人間たらしめる」

ということである。

ここで、

B*:「名付けが開始されたことが、人間存在の始まりである」

といえるが、

命題A*より、

B**:「人間は、名付けによって初めてそれとなる」

のであるから、

B***:「“人間”が無から、“人間”になるのは不可能である」

これは、命題B2**によって既に明らかである。

よって、

C:「人間に、“人間”という名を与えた存在者がいる」

ということは自明である。

そしてそれは、命題B群から、

C*:「概念の外にある、単なる“始動因”でなく、“人格的”存在者がいる」こと

を明らかにしている。

ゆえに、

∴「神は存在する」

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