A)「人は、神を“信じる”か“信じない”かのいずれかである」。
実は、この文言が躓きのもとです。
信仰の対概念は、不信仰ではないのです。
A’)「人は、“神を信じるか”、“無神論を信じるか”のいずれかである」。
これが正しい構造です。
さて、
B)信仰は、付与されたものでしょうか、自然発生的なものでしょうか。
次の点を抑えねばなりません。
B2)信仰は必ず、信仰対象が先にあって生じます。
このことを考えると、
B’)信仰が自然発生することはあり得ません。
ということは、
B’’)信仰は付与されたものです。
このとき、
C)“信仰対象が信仰を付与する”のは自明です。
ならば、
D)「“神が神への信仰を与える”か、“無神論が無神論信仰を与える”かのどちらか」です。
ここで、
D2)当然ながら、無神“論”が“人間に力を付与すること”はあり得ません。
ゆえに、
∴[神は信仰に先立って実在し、信仰を与えた権威者である]。