1.命題証明集

魂の存在。

A:「人間は、言語的な思考をする存在である」

このことが真であるならば、

A*:「人間のうちに言語的な思考を可能にする部位がある」

ことが導出される。

ここで、

B:「思考を司るのは脳である」

ことは偽ではない。

そうだとすれば、

命題A及び命題Bから、

C:「人間とは、脳である」

ということが導かれる。

しかし、それは誤りである。

なぜなら、

C2:「人間存在が脳であるならば、身体の形相は不要である」

からである。

ただ一方で、

D:「“名付け”が言語的思考を可能にする」

ことから、

D2:「身体の形相が異なることが名付けを可能にしている」

という追跡ができる。

よって、

命題C2は、偽であり、真ではない。

というのも、

命題CおよびD2の導出過程から、

E:「脳と身体的な形相は同時に存在しなくてはならない」

ことが明らかだからである。

このことは、

命題C2が真ではない理由を表す。

なぜなら、

C2*:「脳そのものが明らかに形相を持っている」

からである。

よって、

命題Eで言うところの

E*:「“身体的な形相”は、存在の絶対条件ではない」

ことが確かであろう。

しかしながら、

E**:「身体的な形相が存在することは明らかである」

ということは、

F:「脳は、それ自体が“身体的な形相”から区別される」

という命題が成立しなくてはおかしい。

よって、

F*:「脳の本質は、形相には存在しない」

はずであり、

このことは、命題C2およびC2*の導出過程から明らかである。

よって、

命題Aが真であるならば、

命題F*から、

F**:「人間は、何某かの非物質的な側面を保有する」

と言える。

よって、

∴「人間のうちに“非物質的なもの”として定義される“魂”は存在する」

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