2.聖句の悦び

光であられる神。(参考→ミカ7:7‐10)

善王の統治が崩れ、悪王の偶像礼拝に始まる腐敗、そこからの名王によるリバイバル(霊的な復興)。

『ミカ書』の特徴は、外敵の侵入による裁きを預言するのでなく、

「(人間の)王に、“全き統治”はできない」という神の言葉通り、

王政に左右されぐらつく、名ばかりの信仰を掲げる選民イスラエルの腐敗を鋭く指摘するところにある

と思います。

その7章においては、神の威厳があらわされることが力強く述べられており、

今回の箇所では、神が“光”に譬えられています。

倫理学を修め、その研究手法で独自に真理探究をしていた昨年。

その年の末に、「キリスト教(聖書の内容)こそが真理である」ことに到達しました。

“唯一神信奉者”から“キリスト者”になった私は、

そこからの聖書研究を重ねる中で、キリスト教の思想を2枚の図にまとめ上げ、

その後、回心から九ヶ月を経て、

支持していた“自由主義神学”を遠ざけ、“保守的(聖書的)な立場”をとるに至りました。

神の導きを“説明しようもない体験”として日々受け取る中で、

「神は、光のようであられる」

というのが一番、

悟り(という神への気づき)の体験に未信徒の人々を“誘うための説明”

になると感じています。

当該の箇所を取り上げたのは、そのためです。

あまりに多くの人々が、

「神の存在を証明してくれ」

と言います。

論理的に説明することは可能です。

現に、当サイトでも、過去の“命題集”において行ってきたことです。

でも、

おそらく大半の人は、

「納得できない」

と返すでしょう。

なぜなら彼らは、正確には、

「神を“見せてくれ”」

と言っているからです。

「神がいるなら、自分の姿を見せれば、信じなくてもよくなるじゃないか」。

これは、とんでもなく見当違いなことです。

なぜなら、

「神は、“信仰”を求めておられる」

からです。

その理由は、

1.神の姿が見えないことこそが、その超越性の完璧な在り方である

2.信仰することは、人間の義が最も現れる道である

ということに集約されます。

「神を見せてくれ」。

と言う人に、

「あなたは、“光そのもの”が見えますか」

と私が言ったら、どう答えるでしょう。

“光”に照らされながら、“光そのもの”を捉えることはできませんね。

より実感覚に訴えるなら、

「あなたは、空気が見えますか」

と言えばよいでしょうか。

空気によって生かされている。しかし、空気を捉えることはできない。

それゆえ、

全てを生かしておられる神を受け入れるというのは、

実は、強力な“生きている”という感覚によります。

福音書などには、奇跡の描写が沢山あります。

しかし、正確には、“大きな”奇跡だということです。

死者が生き返るのは奇跡です。

ならば、

「人が生きていることがそもそも奇跡ではないでしょうか」。

日常に根ざしたところに現れている神の啓示を“一般啓示”と言います。

一度、光に気づいたならば、日常の全てが照らされていることがわかります。

無という闇から神によって創られた世界に、

光(神の恵み)が照らされていなければ、我々は存在し得ないということを。

アダムとエバの“原罪”によって、

我々は、神の光に対して身を翻した状態になりました。

しかし、

人類の祖が善悪の実を食べることを神が黙認したのは、

「神から離れ、再び立ち返ったとき、その悦びが増し加わるため」なのです。

光にずっと照らされていた。

気づかなかったけれど、

振り返ってみたら、

眩い光が注がれていた。

「こんなによくしていただいていた」。

そのことに気づくことが、

人間にとり、そして神にとり、どれほど感動的なことか。

私が声高に、そして口うるさく立ち返りを促すのは、

「救われるべきだから」

です。

でも、その“救い”は決して漠然としたものではありません。

「救いとは、感動的な実感である」

ことを是非とも体験してほしいのです。

「そこに影ができてるでしょ、それはさ、光が後ろから差していて、自分に当たったときに屈折して…」

とか説明する(神の存在証明)より、

「振り返ってごらん」

と言い、

「眩しっ」

という体験をしてもらうことが、最短で最良の方法だと私は思うのです。

色々と方法を並べ立てる、いかがわしい搾取宗教とは全てが違います。

「祈ってみてください」。

これだけです。

ただ、「ある程度“興味”があった方が、振り返りやすい」でしょう。

だから、私は、

「振り返ってみて。虹が出ているよ!」。

そう伝える思いで、こういったメッセージを描いています。

今日はここまでです。ありがとうございました。

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