リベカ
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リベカ

イサクの妻、ヤコブの母である。アブラハムのしもべがイサクの嫁探しを任じられたとき、彼は「らくだに水を汲んでくることを、選ぶべき女性の“しるし”としてください」と神に祈った。この出来事は単に「気の利く女性を選ぶ」という観点で受け取ることもできようが、じつのところ、ここでは“信仰”が試されている。見落しがちな記述だが、アブラハムは「御使いがあなたがたの先をゆく」と告げている(創24:7)。このことは「目視できない御使いがらくだを先導する」のを示している。リベカがその背景まで分かっていたかは彼女のみが知るところではあるが「このらくだも神の召しをうけたことでしょう」という信仰が神の御目に適ったことが確かに言えるのである。この霊的な洞察力と行動力こそ、彼女がイサクの妻に相応しかった証である。おそらく彼女が「ヤコブのほうを愛した」ことは性格的な理由だけではなく、双子の息子を霊的観点から眺めたうえでのことであったろう。ヤコブがイサクを騙すことを主導したのは賞賛すべきことではなかったかもしれないが、祝福が長子にあたる兄エサウではなく弟ヤコブに移ったことは明らかに神の御心であった。霊的な洞察力に、具体的な行動が伴っているところは、この女性から見習うべき信仰である。ヤコブの母である彼女からイスラエルが出たともいえるわけであるが、やがて律法の形式主義に陥ってしまうこの民族と違い、その母なる女性は“信仰をあらわす行い”を模範的に示していたのであった。

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